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    【学長室】2017年度 学位記授与式 学長式辞


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    本日、大学院修士課程13名、学士課程では人間科学部168名、教育学部181名、保健医療学部86名、計435名、合計448名の皆さんに学位記を渡すことができたことを、卒業生の皆さん、ご家族の皆さん、そして教職員の皆さんとともに喜びたいと思います。おめでとうございます。また、この式典にご臨席頂いたご来賓の皆さまに御礼申しあげます。


    さて、これから皆さんが出ていく社会は大きな変化を迎えつつあります。第4次産業革命といわれる技術のブレークスルーが生じています。18~19世紀のイギリスから始まった産業革命。第1次産業革命が木綿工業を中心とした軽工業から起こったのに対して、19世紀末から20世紀初頭の第2次産業革命は鉄鋼・機械・造船などの重工業、石油資源を利用した化学工業という重化学工業部門での技術革新でした。第3次産業革命は20世紀半ばのコンピューターの発達と原子力エネルギーの活用から始まったといわれています。
    第4次産業革命の背景とは何でしょう。コンピュータ・ハードウェアの処理能力は指数関数的に進化し、世界のデータ量は2年ごとに倍増しAIは自動的に学び続けるディープラーニングによって非連続的に進化しつづけています。IoT、すなわち実社会のあらゆる事業・情報がデータ化・ネットワークを通じて自由にやりとりができるようになり、ビッグデータを利用しての新たな価値創造が起こり、機械が自ら学習し続けるAIのさらなる発展、ロボット技術の発達によって、これまで実現不可能だと思われていた社会の実現が可能になっていると言われています。
    しかし、この新しい時代は、皆さんが大学で学んだ知識だけで、職業生活を全うすることを許してもらえない時代でもあります。卒業のこの日に、次なる学び直しの必要性をお話するのは違和感があるかもしれません。
    オックスフォード大学のオズボーン博士とフライ博士の”消滅する職業”の話を聞いたことがあるかと思います。人工知能やロボット等で代替される確率を試算した結果、米国人の47%、英国人の35%が現在従事している職種が10~20 年後に消滅する可能性が高いと予想しました。同じ方式で野村総研が試算すると日本の場合、 日本人の49%が就いている職業消滅する可能性が高いという結果でした。人手不足だ、景気はよくなった、と言われていますが、こうした変化は間違いなく近づいています。電車やバスを考えてください。ご両親の時代は、運転手と車掌がいたのがワンマン化し、ポートライナーはすでに無人化しているわけですが、自動車の自動走行が目前まで来ています。


    厚生労働省は社会人の学び直しを後押しするため、資格取得などに必要な費用を支援するしくみを拡充します。政府は看板政策「人づくり革命」で、就職後に必要技能を学ぶ「リカレント教育」の拡充を掲げており、厚労省は向上意欲が高い社会人を資金面から支援することになります。雇用保険の被保険者を対象にした「専門実践教育訓練給付制度」は、国が指定した教育機関などの講座を受けると、学費など一部費用の補助を拡充しようとしています。現在は受講料の4割、資格をとれば6割を助成しており、来年からそれぞれ5割、7割に広げるようです。本学としては、皆さんの学び直しの必要性に応えるため,本年開学20周年を迎えることを契機に,社会人の学び直しができる受け皿としての大学院の拡充とBP制度の対象になる夜間講座などを充実させ、皆さんが必要となったときに迎え入れをしたいと準備を進めます。


    人間の能力は一元的の測ることはできません。1つのことが評価されないようになれば、弱点を補強するか,あるいは他の強みで勝負すれば良いと思います。オリンピック種目でも「より高く」「より早く」といった伝統的な一元的で定量的な尺度の種目から、フィギアスケートや体操競技のような技術、芸術、構成などを人間の目で定性的に評価する種目が増え、さらに早さや距離といった定量的尺度と定性的尺度の採点を組み合わせる種目も増えてきています。

    実社会においては、定量的一元尺度で人間を評価することはまずあり得ないでしょう。むしろ、様々な多元的な能力で皆さんは評価されるようになると思います。その時に皆さんに思い出してほしいのがKUIS学修ベンチマークで、毎学期自分をふりかえる経験をし、自己評価のエビデンスを示しつつ、アドバイザーに説明を続けてきた経験です。自己評価と点検の習慣は、これから激変する社会の中で、自らのチカラの通用性を確認し、自ら自分を磨き,強化すべきことへの気づきを助けてくれるはずです。ふりかえりはセルフマネジメントの原点です。


    「羹(あつ)ものに懲りて膾(なます)を吹く」は、ある失敗に懲りて、必要以上に用心深くなり無意味な心配をすることの例えですが、羹(肉や野菜を煮た熱い汁物)を食べたら、とても熱くて懲りたので、冷たい食べ物である膾(生肉の刺身。鱠では生魚となり誤り)を食べる時にまで息を吹きかけて冷ましてから食べようとしてしまう、という状況のことです。これは苦しい体験をしてしまいますと、全く問題のない事柄にも無意味に怖がって、慎重になってしまうという、臆病さが原因で失敗に繋がる例とされています。しかし、経験から学ぶことは、ただ失敗をくり返すよりもよほど学習能力があるともいえないでしょうか?この教訓から、皆さんに萎縮して消極的になってほしいということではありません。「大胆にして細心」であってほしいということです。このことわざは、人は何事をやるにも大胆であらねばならないが、それをやる前に細心の研究と細心の注意が必要だ。それなくしてただ大胆にやるのは単なる向こう見ずというもので、大胆の陰には常に細心の裏付けがなければならないことを教えています。元は中国の「韓非子」の「胆大心小(たんだいしんしょう)」から来ているようです。「肝」は度胸、「心」は気配りを意味し、「胆は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲す」から来ており、「大胆にして細心であれ」の言葉は日常生活にも通じます。事を為す場合にはフォローできる態勢をつくっておくことが大切で、一発勝負で修正のきかないようなことはしてはいけないということです。これは現代の「危機管理(セーフティマネジメント)」の重要性と共通します。


    マネジメントはP.ドラッガー流に言えば、「組織の機能を最大限発揮させる」ことです。皆さんが在学中に学んだこと,経験したことを元に,企業、病院、学校、幼稚園、保育所、社会福祉施設、警察といったどのような職場にあっても、いざという時にマネジメントすることができるのかと言うことが問われます。マネジメントは、平常時においても,危機に際しても,大卒者として期待される能力であるといえるでしょう。


    私の尊敬する、アメリカの公民運動指導者キング牧師は、「本当の人間の価値は、すべてが上手くいって満足している時ではなく、試練に立ち向かい、困難と戦っているときにわかる」The ultimate measure of a man is not where he stands in moments of comfort and convenience, but where he stands at times of challenge and controversy.


    そして、「人生で最も永続的でしかも緊急の問いかけは、『他人のために、いまあなたは何をしているか』である」とも言っています。
    Life’s most persistent and urgent question is: What are you doing for others?


    皆さんが本学で学ばれたこと,身につけられたことを、社会で活かし,世のため人のために貢献できる人間として、自らの人生を生き、”私を生きる”ことを期待します。
    最後にもう一度、「おめでとう。皆さんの未来を主体的に生きてください」


    2018年3月15日
    学長 濱名 篤

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